ホーム 学会に向けて発表を洗練させよう!聞き手に共感してメッセージを届ける「共感マップ」

    学会に向けて発表を洗練させよう!聞き手に共感してメッセージを届ける「共感マップ」

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    今回のツールボックスでは、聞き手に共感して、相手の求めていることや置かれている状況を想定することで、発表における自分のメッセージを相手が受け取りやすい・行動しやすいものへと洗練させる「共感マップ」というツールをご紹介します。3ステップで発表を整理していきましょう。

    学会発表などで、研究をわかりやすく伝えたい人は、こちらから記入シートをダウンロードするか、以下の事例を参考に、紙とペンを使って、自分なりに共感マップと発表のポイントを書き進めてみてください!


    <STEP1> 聴衆の中から一番メッセージを伝えたい人を選ぼう

    まずは、発表当日に来るであろう聴衆の中でも自分が一番メッセージを伝えたい相手を想定しましょう。発表の目的を振り返ると、相手を選びやすくなります。「大企業の人」など漠然とした相手よりも「〇〇系大手企業の研究開発部門の人」などより具体的に考えると共感しやすくなります。

    <STEP2>「共感マップ」で相手の視点に立とう

    次に、「一番メッセージを伝えたい相手」に対して共感していきます。共感マップの枠にある問いに答えながら相手のことをイメージしてみましょう。そうすることで、相手が見ている世界が、少しずつわかってきます。

     

    ▲ 共感マップ

    Tip 聞き手に関する事前情報が少ない時は、研究室の先生に聞いたり、ネット検索する。

    <STEP3>共感マップを踏まえて発表のポイントを整理

    発表のポイントを整理する上で、重要なのは、発表前の相手の状態「Before像」、発表後になって欲しい状態「After像」、そしてBefore像からAfter像へ導くための「メッセージ」です。共感マップで書き出したことを元に整理しましょう。


    ▲ 発表ポイント整理シート

    相手の視点に立って考えることで、相手に伝えたいメッセージや、発表後に相手へ促すアクションが明確になったのではないでしょうか。ただし、これはあくまでな仮説です。実際の発表後は、整理した内容を振り返り更新してみましょう。そのトライ&エラーがあなたの発表と共感力を向上します。

     学会でのポスター発表や口頭発表でうまく伝えることができずに感じたもどかしさ、初めての発表で何から考えたらいいのかわからない、という不安や焦りを感じたことがあるかもしれません。でも、学会発表で聞き手にわかりやすく伝えることで、多様な人からのフィードバックや協力を得ることにつながり、そこから得られた発見が研究の方向性やその後のキャリアに影響を与えることもあります。「共感マップ」を活用して、今年の学会に挑戦してみてください!

    是非、皆さんも記入シートか、紙とペンを使って共感マップを書き進めてみてください。記入シートのダウンロードはこちらから