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2020参加企業紹介4 ーハイラブル株式会社ー

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株式会社リバネスが企画するキャリアディスカバリーフォーラム(2020年6月開催)に参加が決定している企業について紹介します。

今回は、ハイラブル株式会社について紹介します。

場の雰囲気を第三者に情動伝染させ、チームを加速する
ハイラブル株式会社 代表取締役
水本 武志 氏

ハイラブル株式会社は、コア技術である音環境分析を使ってコミュニケーションを分析し、抽出した情報を活用することで、より豊かなコミュニケーションができる手助けをすることを目指している。ハイラブルの音環境分析・議論分析技術により、今までの議事録では記録できなかった空気感や雰囲気を可視化し、記録できるようになるかもしれない。今回は、「場の雰囲気」をテーマにハイラブル株式会社代表取締役水本武志氏と対談を行った。(聞き手:株式会社リバネス 楠)

コミュニケーションのダイナミクスから会話の盛り上がりが可視化される

:この議論評価サービスは人の言葉については録音機能だけで、音声認識は一切入っていないですよね。それはなぜでしょうか。

水本:音声認識がコミュニケーションを文字にするレベルには達していないというのも理由の1つですが、それよりも言語以外の情報に面白いことが隠れていると考えているからです。例えば、母国語でない言語でディスカッションしてる光景を見ていたとして、言葉は分からなくても、多分その中の誰がリーダーなのかが分かると思うんです。言語情報って一回出してしまうと、人はそこしか見なくなってしまう。それで、思い切って捨ててみたんです。

:たしかに、発話量とか、タイミングなんかを見ているだけでも、その会議のリーダーってなんとなく分かりますよね。引き出し上手な人が話した後は、いつも会話が盛り上がるとか。

水本:それがコミュニケーションのダイナミクスです。個々の振る舞いが周りの環境によってどう変化するのかがポイントになります。発話量1つ見ても、シチュエーションによって様子がガラッと変わります。最初にまずは1人ずつ意見を言いましょうというフェーズですと、綺麗に山ができる。議論が活発になると発話量のグラフはぐちゃぐちゃになる。その見た目だけで、なんとなく議論のフェーズが変わったんだなということが見えるんです。そのアイデアは、もともと私が研究していたカエルの鳴き声の研究から来ています。夜の田んぼで好き勝手に鳴いているようでも、実は周りの鳴き声に影響されながら鳴いていることを発見したのですが、人も同じように、発話量のダイナミクスで見ると面白いことが分かるんじゃないかと考えたのです。

「雰囲気」は定量可能なのか

:三人寄れば文殊の知恵じゃないですが、互いの発言が影響しあって、3人の頭の中にアイデアが生まれ、それがまた混ぜ合わされて、というように、1対1での会話とは比べ物にならないような複雑なコミュニケーションが巻き起こることってありますよね。でもそれを議事録として文字に起こすと、なにか足らないというか。その場にあった雰囲気とか、熱とか、文字では表せないものって絶対ありますよね。今のお話を聞いて、議論評価サービスはそれを伝えられるものなんじゃないかと思ったのですが。

水本:そうですね。人と人のコミュニケーションって同じものは1つとしてないですし、それを記録して何かしらの考察をするってとても難しいです。でも、同じフォーマットで可視化できれば、全く違う2つのコミュニケーションも比較ができるようになります。そうすれば、良いものと悪いものを比べてフィードバックを返すとか、今回はここがハイライトだったとか、全体としてはこんな雰囲気の会議だったとか、いろいろな評価ができるようになります。

:「雰囲気」って何気なく使っている言葉ですけど、定量可能な要素って何でしょうね。

水本:パラ言語情報とタイミングが鍵かもしれませんね。言語情報には、テキストには表現されにくいイントネーション、リズム、ポーズ、声質といったパラ言語情報というのがあります。さらに、ずっと黙っていた人が、突然話し始めたといったものが「タイミング」です。誰かが急に話し出したとか、急に声の大きさが変わったとか、「いつもと違ったことが起きた場面」って、何か重要なことがあったと予測することができますよね。 そういった情報の中に、私たちが言う「雰囲気」というものが隠れている気がします。

:今はリアルタイムに議事録を共有できる時代ですし、発話量やタイミング、感情といったデータもドッキング可能になれば、文字だけ見ても分からない行間を読みとりやすくなる。自分の話が周りの人にどれだけ影響を与えたのか、どれだけ伝達したのかを会議を進めながらフィードバックをかけていけるかもしれないですし、議論の進め方や生産性の向上に大きく関わってきそうですね。

情動伝染を加速させて、チームの力を最大化する

:会議って重なると参加できないし、会議だけでなく、喫煙スペース、廊下など、人が集まる様々な場所で、同時多発的にコミュニケーションって起こっています。ライブ感って結構大事で、その場に居合わせてなかった人に、その雰囲気も含めた「共有」ってなかなか難しいですよね。完全にその場にいるのは不可能にしても、その場の雰囲気がつかめるだけでも、チームで「さあやるぞ!」って時の加速が変わる気がするんですよね。

水本:音声録音をすべて聞けばある程度は分かるんでしょうが、それには膨大な時間が必要になります。その見るべき場所が分かるとか、発話量のダイナミクスを見るだけでなんとなくその会議の雰囲気や、真のリーダーが誰かというのがつかめるというのが、私たちが目指していることです。面白いなと思ったのは、学校の先生にクラスの生徒たちのディスカッションを記録したデータを見せると、パッと見ただけで「ここはすごく良い議論ができていそう」とか「この子がここで発言するなんて何があったんだろう」っていうんですよ。その議論をしている人たちのパーソナリティを知っていれば、今の技術でも十分可能なんじゃないかと思います。

:今、場の雰囲気を、第三者に伝達する意味を考えていたんですが、それって情動を共有することなのかなと思いました。ワクワク感や危機感の共有って、チームのマネジメントにおいて非常に重要な要素だと思うんです。わざわざFace To Faceで会う意味って情動の共有のためってこと結構あると思うんですよ。

水本:一生懸命会議の様子を口で説明しても、情動までは伝わらず、時間の無駄になってしまうこともある。それなら、パッと議論評価サービスで取った記録を見て、情動伝染できるなら、あとで見た方がいいですし、情動を作るところに関わらない人は、あとで情動伝染するみたいな参加の仕方も可能になります。

:会議の価値が変わってきますね。これだけあれば、創造的な仕事ができるというわけではありませんが、これまで人間では不可能だったスピード感でコミュニケーション、つまり相互理解が進む可能性を秘めていると思います。

水本:ぜひ一緒に研究しましょう!

※上記内容はリバネスの冊子「人材応援 vol.5(2018年6月発行)」の特集「人とテクノロジーの共奏でコミュニケーションの壁を突破する」に掲載されたものです。

 

<キャリアディスカバリーフォーラム2020 開催情報>

2020年6月20日(土)10:00-18:00
場所:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター5F

 

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