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自社の技術と異分野を掛け合わせ、新しい種を生み出すために(森下仁丹株式会社)

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CDF で自社の可能性を発見する~参加企業インタビュー

自社の技術と異分野を掛け合わせ、新しい種を生み出すために

駒村 純一 氏
森下仁丹株式会社 代表取締役社長

創業125 年の老舗企業の森下仁丹は、「病気は予防するもの」という考えを抱き、創業者の森下博が懐中薬「仁丹」を開発したのが会社の始まりだ。大阪の老舗企業として「仁丹」とともに成長してきた。そんな老舗企業が、2017 年3 月より年齢を問わず、挑戦し続ける人材を募集する第四新卒採用を開始した。新しい人材との出会いを求め、キャリアディスカバリーフォーラム(CDF)に参加した想いを、駒村 純一氏に伺った。

創業125 年目の老舗企業が考えるベンチャー化
「長らく100 から1000 の成長に力を入れてきた私たちは、裏を返せば0から1 を生み出すという風土が薄れているとも言えます。自社で新たな事業を生むには、外からの刺激がカギになると考えました」と語る駒村氏。会社に眠る優れた技術とこれまでとは全く違う異分野と組み合わせ、新規事業の種を生むという挑戦を開始した。そのためには、新しいことに挑戦するエネルギーを持った人材と、異分野の専門性を持った人材が必要だと考え、その発掘に乗り出している。しかし、大学での寄付講座や共同研究では教授や講師と出会うことはできても、現場で研究している学生と接する機会は少ないのが現状だ。「企業の中で何を考え、挑戦をしているのか、黙っていては何も伝わりません。まずは外に出て学生に伝えよう。それがCDF に参加した理由です」。

学生の熱とアイデアに、可能性を感じた
フォーラムでは、自社のコア技術であるカプセル技術を紹介し、異分野の学生の専門性と融合させて新たな使い方をディスカッションするブースを設けた。当日、ブースでは化学工学の学生から選択性のあるカプセルを作り、下水処理場の水処理に使えるのではないかといったアイデアが出るなど、学生の研究とカプセル技術をハイブリッドさせたアイデアがたくさん挙がり、非常に盛り上がった。1 回のディスカッションは20 分と短いものだったが、終了後にもディスカッションの熱は冷めず、「インターンシップに参加してみたい」「会社についてもっと詳しく聞きたい」といった話も出たという。「カプセル技術を使って、ベンチャーを立ち上げてみたいといってくれた学生もおり、自分のアイデアを熱く語り、新しいことに挑戦する学生が多かったことに非常に驚きました」と駒村氏は振り返る。

より深い技術を見せ、社員と出会う場にしたい
第四新卒採用により、新しい人材が入ってきたことにより、今までつながりを作れなかった領域で、案件が作れるチャンスは増えてきている。今回、CDF には、分かりやすい自社のカプセル技術をテーマにしたため、現場の技術者や研究者は参加していなかった。しかし、次回はより深く、自社が力を入れている研究内容を持ち込み、それに関わる研究員を数多く呼びたいと駒村氏は考えている。「社内で行っているようなディスカッションを、社員が直接学生と行い、異分野の意見やアイデアを引き出してみてもらいたい。そこで、出たアイデアはきっと一歩進むはずです。そういった場になっていけばさらに良いですね」。新しいことに挑戦する熱にさらされることで社員のマインド醸成にもつながれば、この活動は新たな人材の発掘だけではない価値になるはずだ。