ホーム お知らせ 2020参加企業紹介2 ー株式会社バイオインパクトー

2020参加企業紹介2 ー株式会社バイオインパクトー

1442

株式会社リバネスが企画するキャリアディスカバリーフォーラム(2020年6月開催)に参加が決定している企業について紹介します。

今回は、株式会社バイオインパクトについて紹介します。

社内研究情報の可視化で自社の強みや事業の飛び地を見出せないか?
株式会社バイオインパクト 代表取締役
杉原 淳一 氏

情報化が急速に進む中にあって、企業内の研究者情報は意外と活用されていないのではないだろうか。研究自体が属人的であり、研究員の異動、新規プロジェクトの立ち上げや既存プロジェクトの統廃合が比較的短期に行われるため死蔵されやすい情報といえる。この課題に対するヒントを得るべく、国内最大級の研究データベースサイト「日本の研究.com」を構築、運営する株式会社バイオインパクトの杉原淳一氏に話を伺った。

隣近所の研究者が見えていない企業の研究所

規模が大きくなればなるほど縦割りになり隣近所が見えなくなるのは組織の宿命かもしれない。新たな研究課題に向き合うとき、その先行研究や専門家を、まず外部に求める傾向が強いが、実は類似の課題を隣の部署で数年前に検討していたということを、問い合わせた外部の専門家に知らされるといった話もあるという。研究に関する情報は、その多くが携わった研究者に内包されやすく、その属人的な情報は組織として活用しにくい状況にある。かつては、生き字引のようなシニア研究者に聞けば、いつ、誰が、誰と、どのような研究課題に取り組んでいたのか知ることができたかもしれないが、組織規模が大きい中では網羅的ではなく、またそのような研究者が定年を迎えた時点で、お蔵入りが決定する。個々の研究者が保有する知識やネットワークを活かしきれていないことで費やす不必要なコストは少なくないはずだ。

国内研究データベース 「日本の研究.com」

日本の省庁における研究予算も縦割りの典型例といえる。省庁の垣根を超えることは容易ではなく、公的な研究費を採択されている研究者の情報もまた孤立しているのだ。杉原氏がこの課題に関心をもったのは、かつて研究資材を販売していた中で「研究予算に関する情報がまとまっておらず、どこにどのような研究者がいて、どのような研究課題に取り組んでいるのかわからない」と感じたことがきっかけだという。「日本の研究.com」は、文部科学省、総務省、環境省、農林水産省などの他、科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本学術振興会(JSPS)、農業・食品産業技術総合研究機構、日本医療研究開発機構(AMED)といった独法系、さらに、科学研究費助成事業、厚生労働科学研究費を獲得した研究者の情報を網羅している。このような情報を収蔵する「日本の研究.com」は、研究に特化したニッチなサイトにも関わらず、月間100万を超えるアクセスがあるという。研究者の他、研究に関わる業界や周辺で関心をもつ対象者は50万人程度ではないかと杉原氏は見積もる。知の創出から研究成果の社会還元とその基盤整備を担う国立研究開発法人からのアクセスは全体の1割を占め、政策研究や科学技術白書の取りまとめに活かされているという。日本の研究状況を俯瞰し、研究戦略立案にも活用できるデータベースの価値の大きさが伺えるだろう。

可視化された研究データから事業のタネが読み解けるのではないか?

日本の研究.comの強みは、情報の俯瞰にとどまらず、「研究系のキーワードを大量に保有し、膨大なテキストデータを自然言語処理により活用できる点にある」と杉原氏はいう。例えば、日本の研究者.comのテキストデータを活用して解析することで、「人工知能」というキーワードが、いつ頃から使われるにようになったかなど研究動向を調査することが可能だ。企業の研究所において、同様のデータベースがあったならば、意外と把握されていな かった独自研究の強みや研究者ネットワークに気づくこともあるかもしれない。自然言語処理によって、自社の強みが他分野の課題解決に活用可能であることを知り、非常に親和性の高い「飛び地」を開拓することも可能と考えられる。つまり、自社ノウハウとしてある半導体製造プロセスの管理システムが、例えば、ウニの種苗生産プロセスに有用であるかもしれないという発見を、研究課題のテキストマイニングによって発掘できる可能性があるのだ。もちろん、それらの研究をどのようなメンバーで行うべきか、研究者個人が見えるだけでなく、適した共同研究者を探すのにも役立つだろう。

企業研究所にある情報を死蔵しないために

研究課題や研究者の情報が省庁や分野の垣根なく集められたデータベースは、今後益々情報が蓄積され、さらに研究開発や新領域の開拓を加速するツールになっていくだろう。一方で、企業研究所にある研究関連の情報は、場合によっては紙媒体で企業内に眠っていることも珍しくないため、また、研究者個人に紐づく知識やネットワークもデータとして蓄積されていないため、これらのデータベースを構築することは容易ではないだろう。いつ、誰が、誰と、どのような研究に取り組んでいたか、社内外のネットワークを把握し、積極的にそのデータを活用していくことは、新規事業の創出、オープンイノベーションの加速のため研究データベースの活用にも不可欠であろう。

※上記内容はリバネスの冊子「人材応援vol.11(2019年12月発行)」の特集「ネットワーク組織を創造エンジンに変える社内情報活用のヒント」に掲載されたものです。

 

<キャリアディスカバリーフォーラム2020 開催情報>

2020年6月20日(土)10:00-18:00
場所:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター5F

参加登録フォームはこちら(リバネスIDへのログインが必要です)

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here