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研究者を社内に取り込み、新しい風を(カクタス・コミュニケーションズ株式会社)

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CDF で自社の可能性を発見する~参加企業インタビュー
研究者を社内に取り込み、新しい風を

湯浅 誠 氏
カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役

同社は、学術論文の英文校正・翻訳・投稿支援サービス「エディテージ」を中心とした研究者サポート事業を展開している。最近は大学・研究機関の研究プロモーションや、研究者が集まり日本の研究現場の課題を考え、実践するコミュニティ「サイエンストークス」の運営など、新しい挑戦を続ける「研究者を元気にする会社」だ。共に新しいアイデアを育ててくれる仲間を求め、キャリアディスカバリーフォーラム(CDF)に参加した

研究経験のある人材と、これからの研究を考えたい
英文校正の事業は、創業時は革新的なサービスだったが、近年は研究者の高度化するニーズに合わせ、各研究分野の高度な専門知識に基づいた校正が求められるようになってきている。他社から一歩
抜きん出るためには、専門性はもちろん、分野特有のニッチなニーズに応えられるようになることが必要だと湯浅氏は考えている。実は、同社はマーケティングのプロフェッショナル集団であり、研究現場での経験を持つスタッフは数少ない。「だからこそ、枠にとらわれない新しいサービスを提供できるという強みもあります。しかしさらに一歩進んで、変化する国際的な研究環境に合わせて、研究者に本当に必要なサービスを開発していくためには、研究経験のある人材が必要だと考えました」。大学教員や研究者の「エディテージ」の認知度は高いが、キャリアの選択肢として考えてもらうにはどうしたらいいか。「研究経験をアドバンテージにして働ける場があることを知ってもらい、まずはインターンシップで自社の魅力を伝えようと考えていたとき、CDF を知ったのです」。

キャリアの選択肢になる、自信が持てた
当日は湯浅氏自らがブースに立ち、参加者とのディスカッションに参加した。「はじめは自社の紹介が長すぎたのか、うまく話が盛り上がりませんでした」と振り返る。参加者は自分がそこで何ができるかに興味があるということがわかり、その場で話し方を大幅に変更した。「まずは彼らがどんな研究経験をしているかを聞いたうえで、それぞれの経験から自社でどんなことができるかを議論することにしたのです」。今は研究職の道は狭く、キャリアについて悩んでいる人も多い。しかし学生は、他にどのような仕事があるのかを知る機会は少ない。英語を使って何かをしたい、サイエンスコミュニケーションに関わりたい、研究環境を改善したいといった、広い好奇心があるなら、研究職以外で活躍できる可能性はある。自社が仕掛けるサイエンストークスなど、「日本の研究をもっと元気に、もっと面白くしたい」という想いに共感する参加者も多く、「研究職以外に活躍する場所として、当社も魅力的なキャリアの選択肢になりうると感じ、自信になりました」と湯浅氏は語る。

参加者の生の声が、自社の想いを加速する
実施後は、出会った参加者とより深くコミュニケーションを取る機会として、オープンキャンパスならぬ、「オープンオフィス」を企画し、ブースではできなかった踏み込んだ議論を交わした。話をしていて気づいたのは、学部、修士、博士課程と年次が上がるにつれて、研究の楽しさよりも将来の不安の話が多くなるということだ。その漠然とした不安の元凶はインターネットなどで見るニュースや、先輩の声だという。「先輩の愚痴が、将来の研究を担う若手や子どもたちに少なからず影響を与えていると感じました。研究現場から集まってくるお金がない、不公平、若手の職がないといった声から問題提起するだけではなく、私たちがその解決をしたい、と改めて強く思いましたね」。CDF をきっかけに数名の学生がインターンシップやアルバイトに参加している。新たな仲間とともに、「日本の研究をもっと元気に、面白くしたい」という想いがより具体的な形となって、研究者に届けられる日は近い。

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